色の変更

言語を選択

心のバリアフリー認定制度

「観光施設における心のバリアフリー認定制度」とは?

1.本制度についての基本知識

制度の目的

観光庁が2020年12月に創設した、バリアフリー対応や情報発信に積極的に取り組む姿勢のある施設を対象とした認定制度です。
車いすトイレやエレベーターといった「設備の設置」を求めるものではなく、車いすの貸し出しや視覚障害者・聴覚障害者への対応などといった「ソフト面での取り組み」が認定の基準となります。

認定制度の狙い(観光庁「観光施設における心のバリアフリー認定制度」申請マニュアルより)
① バリアフリー情報の積極的な発信による、高齢者・障がい者の方への情報提供の促進
② ハードだけでは対応できないソフト的な「心のバリアフリー」の取組の促進
③ 観光庁のウェブサイトや、認定マークを活用した情報発信による、ユニバーサルツーリズムの推進

これらの取組を推進することで、バリアフリー情報の見える化を促進し、ソフト施策の推進によるユニバーサルツーリズムの促進を目指します。

認定の対象となる施設

① 宿泊施設
② 飲食店
③ 観光案内所
④ 博物館
※2025年3月現在、観光施設は含まれません。

認定を受けた施設には、観光庁から「認定マーク」が交付されます。このマークを施設の入口やフロントに掲示したり、Webサイトやパンフレットなどに掲載することができます。
また、認定を受けた施設は、観光庁のウェブサイトに事業所名が掲載されます。

認定を受けた施設には、観光庁から「認定マーク」が交付されます。このマークを施設の入口やフロントに掲示したり、Webサイトやパンフレットなどに掲載することができます。
また、認定を受けた施設は、観光庁のウェブサイトに事業所名が掲載されます。

観光施設心のバリアフリー認定マーク

認定を受けることの利点

  • バリアフリーを通して、おもてなしを深める
  • 従業員の意識を高める
  • お客さまへのイメージアップ
  • 今後ますます増える高齢者や障害を持つ方々に選ばれる施設となる
  • バリアフリー対応を戦略的にとらえ、顧客増加につなげる
  • 事業所としてバリアフリーに取り組む姿勢を、顧客や地域、そして業界にアピールできる

などが挙げられます。

2.認定のための3つの基準

① 施設のバリアフリー性能を補完するための措置を3つ以上行っている
② バリアフリーに関する教育訓練を年に1回以上実施している
③ 自社のウェブサイト以外のウェブサイトでバリアフリー情報を積極的に発信している
これらを満たすことが認定条件となります。

①施設のバリアフリー性能を補完するための措置を3つ以上行う

高齢の方や障害を有する方が安全かつ快適に利用できるようにするための、マンパワーや補助器具によるアシストなどの「ソフト面での取り組み」を指します。
設備のバリアフリー化など、ハード面での対応は認定の基準となりません。

  • シャワーチェアなどの補助器具の貸出し

    シャワーチェア
  • 聴覚障害の方へ コミュニケーションボードでの対応

    コミュニケーションボード
  • 視覚障害の方へ クロックポジションを用いて配膳を説明

    クロックポジションのイラスト

②バリアフリーに関する教育訓練を年に1回以上実施

施設の従業員に対し、高齢の方や障害を有する方へのコミュニケーションやサポート方法に関する研修を実施することを指します。外部の研修会・講演会などへの参加はもちろん、社内での勉強会や研修動画の視聴も教育訓練として認められます。

教育訓練の一例

  • 現場のスタッフが、外部で行われるバリアフリー研修に参加する
  • 社内の定例会で、講師を招いて講習を受ける
  • 従業員の教育を担うスタッフが、研修動画を視聴する
  • webサイト担当者が、バリアフリー情報の発信方法をテキストで学ぶ

など。

伊勢志摩バリアフリーツアーセンターでは、教育訓練となるバリアフリー研修の講師派遣を行っています。

また、三重県や市町の事業の一環として、「心のバリアフリー研修会」を開催しています。開催日時が決定次第、「お知らせ」ページにて告知します。本制度の認定のための教育訓練としてご活用ください。

③自社のウェブサイト以外のウェブサイトでバリアフリー情報を積極的に発信

「自社以外のウェブサイト」とは、観光連盟、観光協会などのサイトのほか、観光関連の情報サイトや宿泊予約サイト、グルメサイトでもOKです。

情報発信の一例
宿泊予約サイト ⇒ 「車いす対応トイレあり」「バリアフリールームあり」「車いす貸し出しあり」などの記載がある
グルメサイト ⇒ 「入口の段差にスロープ設置可能」「点字メニューあり」「手の不自由な方のためのカトラリーの用意あり」などの記載がある
など。

上記の内容が何か1つでも掲載されていれば申請上はOKですが、この機会に自施設で実施しているハード面、ソフト面のバリアフリー対応を洗い出し、自社サイトや外部サイトにて、充実したバリアフリー情報を発信していただきたいと思います。

3.申請方法

観光庁のウェブサイトより、下記の書類がダウンロードできます。

  • 申請マニュアル(PDF)
  • 申請書(エクセル)
  • 申請・問い合わせ等運輸局担当一覧(PDF)

申請マニュアルを参考のうえ、申請書および必要書類を、認定を受けようとする施設の所在地を管轄する地方運輸局の担当課メールで提出してください。
三重県の場合は「中部運輸局観光部観光企画課」です。

認定は、申請受付日から30日以内に行うこととされています。
申請書類に不備がある場合は、不備の内容がメールで返信されますので、申請書類を修正の上で再申請を行ってください。

伊勢志摩バリアフリーツアーセンターからのアドバイス

今の時代は、すべての方々に安心して利用していただける施設を目指すことがサービスの向上やビジネスチャンスの創出といった面でも欠かせない要素となってきていますが、設備の充実ではなくソフト面での対応なら、施設の規模や顧客層に応じた創意工夫で、すぐにでも取り組むことが可能です。
そして、そんなソフト面での施設対応を評価し、認定するのが「観光施設における心のバリアフリー認定制度」です

この制度に認定されている施設は、「バリアフリーなおもてなしを理解し、実践している施設」となり、お客さまが施設を選ぶ基準の1つとなります。
2025年3月時点では観光施設は対象外ですが、施設内にレストランや、観光情報を提供しているインフォメーションがあれば、それぞれ飲食店・観光案内所として申請することができます。

申請書はエクセルに入力する必要がありますが、必要事項を選んだり、空欄を順番に埋めていけば、そう難しくありません。3つの認定基準と必要書類が揃っていれば、ほぼ認定されます。
しかし、『「認定のための3つの基準」を示すための写真添付』や、『「バリアフリーに関する教育訓練」について今後5年間に予定する訓練内容の記述』などの項目について、戸惑う方が多いようです。
正しい申請書を作成してスムーズな認定を目指すために、当センターでは三重県内の事業所へのアドバイスを行っています(一部有料)。
ご希望の方は、伊勢志摩バリアフリーツアーセンターまでお問い合わせください。

バリアフリー観光業界に20年以上身を置く伊勢志摩バリアフリーツアーセンターですが、同じ方向性を持つ方々とともに今後も三重県のバリアフリー観光を推進していくために、たくさんの事業所に認定を受けていただきたいと願っています。